blog 迷子のままに:

山下耕平(やました・こうへい)
NPO法人フォロ事務局長、不登校新聞社理事など。

不登校、ひきこもりなどを中心に、書いてます。
一部は「なるにわブログ」から引き継いでます。

   

校閲ガール、編集よもやま話……。

校閲ガール」というドラマが始まった。原作は小説らしいが、まだ読んでない。

1回目を見て、「そうそう」とほくそ笑む場面もあったが、校閲部があるなんていうのは大手の出版社や新聞社だけで、小規模出版社にはないし、ましてや不登校新聞社などは編集から校閲どころか、購読管理から発送作業まで自分たちでこなしている。編集部と校閲部の対立なんて起きえない。ただ、編集や校閲の仕事というのは、いずれも裏方の仕事で、目に見えにくい作業なので、何をやっているのか理解されないことも多いなと思う。裏方の仕事というのは、何でもそうなのだろうけれど。

いま、不登校新聞社で「不登校50年証言プロジェクト」を始めている。不登校に関わってきた人たちにインタビューし、インターネットで無料公開、アーカイブにしていこうというプロジェクトだ。現在、第5弾まで公開している。校閲ガールに刺激されて、少し、裏方の作業について、備忘録とグチ吐きをかねて書き出しておきたくなった次第。また、自分の場合はこうしているということがあったら、教えていただけると、ありがたいです。


●事前準備

・まず、インタビューするには、できるだけ相手のことをよく知っておかないといけない。著作や論文など、書かれたものは、可能なかぎり読んでおく(再読含む)。

・そのうえで質問項目を整理するが、その際、主テーマ(今回で言えば不登校)だけで切り取るのではなく、話し手の文脈や背景から、主テーマに迫るように考える。また、本人がすでに書かれていることをなぞるだけではインタビューの意味がないので、疑問点や引き出したい点を整理しておく。

・アポイントをとる。場合によってインタビューの場所などを押さえる。

・インタビューに行く人が複数の場合は、打ち合わせをする。


●インタビュー当日

・録音や撮影機材はチェックをしておく(バッテリー要注意)。写真撮影を考え、話し手に座ってもらう位置を決める。写真撮影は、レイアウトによって、いろいろに使えるように、いろんな角度からの写真を撮る。

・インタビュー開始。まずは、こちらのことを紹介し、あらためて趣旨を簡単に説明する。

・話を聞く際は、用意した質問項目を念頭に置きつつも、その場で話されていること、流れを重視して、逃さないように集中する。

・インタビュー終了時、校正の日程予定や段取りについて、話し手に伝えておく。

・録音・撮影データは、なるべく早くPCに取り込み、バックアップをとっておく。


●編集

・まずは、テープおこし(録音を文字におこす)。

・文字におこした文章を、原稿に整理していく。以下のように段階を踏んでいく。
(1)話し言葉と文章には開きがあるので、まずは、文章に整理していく(息づかいは残しつつ)。漢字仮名づかいの整理なども。
(2)重複した内容や話の流れを整理していく。
(3)あいまいな部分や事実関係は調べて補足したり、注を入れるなどする。
(4)内容をブロック分けして、小見出しをつける。
(5)字数調整のために、さらに整理していく(新聞紙面の場合は、字数制限が厳しいので、ここに労力がかかる。今回のプロジェクトの場合、内容優先で無理に削らないようにしている)。

・本文が確定したら、この段階で内部校正。

・組版(レイアウト)。写真位置や小見出しの位置などを決めていく。

・画像編集:明るさ、コントラスト、色味の調整、トリミングなど。

・初校ゲラの完成。話し手に初校を送る。

・校正戻し。校正の反映。赤入れが反映されているか、内部で再校正。場合によって第2校を送って再校正。校了するまで繰り返す。

・最終確認して、記事公開(新聞の場合は印刷所に入稿)。


●事後

・お礼状を書いて、掲載紙を送る。

・読者からの反応があれば応答し、話し手にもフィードバックする。

・万一、ミスなどがあれば、お詫びして訂正し、訂正の旨を告知する。


およそ以上だが、実際には、これらの工程がほかのインタビューと並行して進む。また、自分が行っていないインタビューの組版や校正なども入る。編集作業をこなしながら、次のインタビューの準備をしていくのは、頭のメモリ容量を必要とするので、あまり酷使するとフリーズしてしまう。その場合は、自分を強制終了して再起動……。

まあ、こんな感じです。書き出したら、少しスッキリしました。ムカついたときは、校閲ガールの主人公のように「このタコ!」とか言えたらいいんですけどね(笑)。

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プロフィール

HN:
山下耕平
性別:
男性
自己紹介:
埼玉県生まれ。大学を中退後、フリースクール「東京シューレ」スタッフを経て、1998年、『不登校新聞』創刊時から、2006年6月までの8年間、編集長を務めた。また、2001年10月、フリースクール「フォロ」設立時より、同事務局長を務める。2006年10月より、若者の居場所「コムニタス・フォロ」を立ち上げ、コーディネーターをしている(現在は「なるにわ」と名称変更)。2009年2月、『迷子の時代を生き抜くために』を上梓。

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