blog 迷子のままに:

山下耕平(やました・こうへい)
NPO法人フォロ事務局長、不登校新聞社理事など。

不登校、ひきこもりなどを中心に、書いてます。
一部は「なるにわブログ」から引き継いでます。

   

議論はどこに? 条文案が発表されたが……

3月4日、教育機会確保法案の条文案が発表された(超党派フリースクール等議連連盟・夜間中学等義務教育拡充議員連盟合同総会)。

すでに2月2日に骨子案は示されており、この間の立法チームでの議論を踏まえたうえで、今回の条文案が発表されたはずである。しかし、どこに議論が反映されているのか、私が読んだかぎりではまったくわからなかった。議員連盟では、この案をもとに、さらにヒアリングを行ない、検討すると言うが、1カ月にわたる議論が反映されていないのであれば、さらに何を検討するというのか、疑問を覚えざるを得ない。

今回、条文案で明らかになったのは、不登校の定義だ。以下のように定義されている。
不登校児童生徒:相当の期間学校を欠席する児童生徒のうち、学校における集団の生活に関する心理的な負担その他の事由のために就学困難な状況として文部科学大臣が定める状況にあると認められる者。
集団生活への心理的な負担が、不登校の主たる理由となっている。不登校を子どもの心理の問題とするのは問題だが、その以前に、教育機会の確保が法案の目的であるならば、長期欠席のうち、ことさら「不登校」だけを抜き出して、定義づけることはおかしいのではないか。

また、すべて削除されていた「多様な」という文言も盛り込まれたと言うが、「不登校児童生徒が行う多様な学習活動」といった文面であって、現状について形容されたにすぎない。法律上の意味は皆無といってよいだろう。

以前に述べた意見
のくり返しにしかならないが、「多様な教育」にしろ、「教育機会の確保」にしろ、「休養の必要性」にしろ、すべての子どもにとって必要なことであって、ことさら「不登校」を定義づけて、位置づけるべきものではない。そもそもの法案の建てつけに問題があるのだから、法案は条文修正ではなく白紙撤回し、出発点に立ち返って、考え直すべきだろう。


*3月4日のようすや配布資料などは、下記でも報告されている。

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プロフィール

HN:
山下耕平
性別:
男性
自己紹介:
1973年、埼玉県生まれ。大学を中退後、フリースクール「東京シューレ」スタッフを経て、『不登校新聞』創刊時(1998年)から8年間、編集長を務めた。2001年、フリースクール「フォロ」設立時より、同事務局長を務める。2006年より、同法人で18歳以上の人の居場所を始め、コーディネーターをしている(なるにわ)。2012年より関西学院大学で非常勤講師。著書に『迷子の時代を生き抜くために』(北大路書房2009)。野田彩花さんとの共著に『名前のない生きづらさ』(子どもの風出版会2017)。

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