blog 迷子のままに:

山下耕平(やました・こうへい)
NPO法人フォロ事務局長、不登校新聞社理事など。

不登校、ひきこもりなどを中心に、書いてます。
一部は「なるにわブログ」から引き継いでます。

   

いただいたメール

先日のブログ記事について、さやさんという方から、感想のメールをいただきました。私だけにとどめておくのはもったいないと思い、ご本人の了解を得て以下に転載します。

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私は東京在住で、小学校でいじめにあい、中学2年で学校に行かなくなった、不登校経験者です。不登校をして16年がたち、30歳の今、ようやく心身ともに、落ち着いて家で過ごせるようになりました。

山下さんのブログ「迷子のままに」の、「未然防止? 腐ったミカン? 不登校を減らすと言うのなら」と、「休むのは戻ることが前提?」を、とても興味深く読ませていただきました。
「不登校を選択肢のひとつとして、学校外で学ぶことを認めてほしい」というと、こんどは休むことも許されず、不登校でも学んでいないと認められないことになってしまいがちだ。そうなると、休んだり、逃げたり、撤退するということへの否定的なまなざしは変わらなくなってしまう。
私も不登校をした当時、学校に行かなくても、何か自分の将来につながるようなことをしなければ、というプレッシャーを、すごく感じていました。家に東京シューレの子どもたちの不登校体験を集めた本『学校に行かない僕から学校に行かない君へ』と『僕らしく君らしく自分色』(もう手元にないのですが、こんな題名だったと思います)があり、それを読んで、「不登校をしても、こんなに元気な私たち!」みたいなメッセージを本の内容からビシビシ感じてしまい、〈私もこうならなくちゃいけないんだ〉と思ったのを覚えています(本を作った人たちの意図は別にあったかもしれませんが、私はそんなふうに受けとめてしまいました)。

学校に行かないなら別の場所へ行ってほしい、学校へ行かなくても規則正しい生活をして、何かを学ぶ姿勢をみせてほしい、という周囲の視線に、当事者はものすごく敏感です。

学校に行かなくても、何かをしていなければならない。というプレッシャーを、現在不登校をしている子たちが感じることなく、過ごせているといいんだけど……と、最近の不登校に関する新聞記事を読むたびに、祈るような思いでいます。朝日新聞の1月31日朝刊で不登校が大きく特集されましたが、「未然防止」「早期発見」など、病気に対して使われるような言葉が並んでいたため、「人をなんだと思っているのでしょうか。この言葉を読んだ当人がどんな気持ちになるか、全く考えていない発言です」という趣旨の抗議のメールを、新聞社宛てに送信しました。
やはり「義務教育の段階に相当する普通教育の機会の確保に関する法律案」が国会に上程されるかもしれないために、「不登校」の周辺が、にわかに慌ただしくなっているのでしょうか。

数日前、不登校新聞の『「多様な教育機会確保法案」は危ない 桜井智恵子さんに聴く』を読み、桜井さんの「どんな制度になっても、どんなに社会の状況が悪化しても、要は人ですから、そこを信じてやっていくほかない」という言葉を、ひとつの希望のように感じました。

今回の法案に関しては、本当にあちこちからいろいろな意見が出ていますが、法案をめぐってどう思うかに心身が傾きすぎると、自分を含めたひとりひとりの心の動きや感情が、見えにくくなります。

法案が成立しても、廃案になっても、ひとりひとりの時間は続いてゆくので、そのことを忘れないようにしたいと思いました。(東京都・さや)

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プロフィール

HN:
山下耕平
性別:
男性
自己紹介:
1973年、埼玉県生まれ。大学を中退後、フリースクール「東京シューレ」スタッフを経て、『不登校新聞』創刊時(1998年)から8年間、編集長を務めた。2001年、フリースクール「フォロ」設立時より、同事務局長を務める。2006年より、同法人で18歳以上の人の居場所を始め、コーディネーターをしている(なるにわ)。2012年より関西学院大学で非常勤講師。著書に『迷子の時代を生き抜くために』(北大路書房2009)。野田彩花さんとの共著に『名前のない生きづらさ』(子どもの風出版会2017)。

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