blog 迷子のままに:

山下耕平(やました・こうへい)
NPO法人フォロ事務局長、不登校新聞社理事など。

不登校、ひきこもりなどを中心に、書いてます。
一部は「なるにわブログ」から引き継いでます。

   

脱原発と脱学校-4

 資本主義を推進してきた巨大なエネルギーが原子力だということは、たしかなことだろう。でも、あたりまえのことだが、資本を生み出してきたのは人間の労働力だ。その労働力のしぼりとられ方が、生態圏の摂理に反している。過労死するまでの過剰労働、食べていけないほどの不安定労働、生き物としての自分が壊されてしまうほど、自分のエネルギーが労働にしぼりとられている。
 
環境問題というと、自分の外にある環境のことばかり考えがちだが、自分だって生態圏の一部で、「自然」にほかならない。資本主義が生態圏を破壊しているというとき、それは自分自身のことでもある。
 
たとえば能力の開発の仕方がおかしい。早期教育で、ややもすると、ものごころつく前から能力を開発され、少しでも高い商品価値がつくように「教育」される。商品価値の視線は、どこまでも深く射し入って、遺伝子にまでいたる。これでは、まるで原子を崩壊させてエネルギーを取り出すようなものではないか。人間の細胞の核を割って、そこにある遺伝子まで操作しようとしているのだから。あらゆる自然を資源とみなし、人間までも資源とみなす。それ以外の価値尺度は、よけいなものとして、徹底的に壊されていく。そして、個人の能力を高めることだけが推進される。
 
そこでは、人は主体として生きることができない。商品としてしか生きることが許されない。縁から切り離され、まるで分子結合を失った原子のように。そして、その孤立した原子=個人が追いつめられて壊れてしまったとき、とほうもないエネルギーが放出されて、周囲を破壊してしまう。そういう事件が、いくつも起きてきたのではなかったか。乱暴なようだが、そういうふうに思えてならない。

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プロフィール

HN:
山下耕平
性別:
男性
自己紹介:
1973年、埼玉県生まれ。大学を中退後、フリースクール「東京シューレ」スタッフを経て、『不登校新聞』創刊時(1998年)から8年間、編集長を務めた。2001年、フリースクール「フォロ」設立時より、同事務局長を務める。2006年より、同法人で18歳以上の人の居場所を始め、コーディネーターをしている(なるにわ)。2012年より関西学院大学で非常勤講師。著書に『迷子の時代を生き抜くために』(北大路書房2009)。野田彩花さんとの共著に『名前のない生きづらさ』(子どもの風出版会2017)。

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